外の世界は意外と楽しい

海外経験者のサードプレイスAWAY LOUNGE代表者のブログ

VRという新興の事業領域で世界を取りに行く恵比寿のITベンチャー企業「コロプラ」のインターン記録/感想/内容まとめ

こんなあなたに読んでほしい

海外バックグラウンドを持ち、新しい事業領域で世界と闘っていきたいと考えている人

寄らば大樹のなんとやらよりも、大樹を創り上げる方が好きな人

マレーシアでの出会い

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画像:マレーシアの近代化を象徴するペトロナスツインタワー

短期のインターンは好きじゃない。

ES書いて、テストして、面接して、と時間をかけるのに数日で終わってしまう。

結果、会社のことも実際に働く姿も想像できない。友達作り以上の価値を見出せずにいた。

そんなわけで、この夏のサマーインターンに応募する気は無かった。この夏は、自分の事業に集中しようと決めかけた。そんな時、懐かしい人から連絡が来た。

「とこいくん、VRに興味ない?」 

彼は2015年にマレーシアで出会った日本人(上田氏)で、当時は教育系のベンチャー企業で活躍していた。 

ポテンシャル溢れるVR/AR

VR(Virtual Reality)には大学2年生である2014年頃から興味があった。東大の知人がVR関連のイベントをちょくちょく開催しているのを耳にしていたからだ。

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画像:VRヘッドセット「Oculus Rift」

VR/ARといえば、世界を牽引するIT企業、google、facebookなどが参入を決めたことや、ゴールドマンサックスがGoldman Sachs Global Investment Researchの中で、ハードウェア市場規模でテレビを抜く可能性を示唆したことを思い出す人も多いだろう。 

▼(参考)AR/VR市場が「爆増」、2020年には16兆円規模に

www.sbbit.jp

2020年には国内だけで3兆円規模になると言われるVR市場。医療、教育、不動産、旅行、エンタメなど応用範囲の幅広いこのテクノロジーに興味を持つ人は私だけではないはずだ。

VR業界で世界に並び立つコロプラ

そんなVRに対し、本気で取り組んでいる和製企業はないと思っていた。間違いだった。

世界屈指のVRファンドを持ち、世界最多のVR向けソフトを世に出し、数多くのVR関連特許を取得している会社が日本にはあった。
日本ではスマホ向けゲームで有名なコロプラである。ちなみにこの会社、しれっと東証一部に上場している。

▼(参考)「Oculus Riftと同時発売されるゲーム」30タイトルを動画で紹介

wired.jp

▼(参考)コロプラが取得した特許に関する記事まとめ

コロプラ | Patent Book

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画像:コロプラのワークスペース

そして、「VRに興味ない?」と声をかけていただいた上田氏こそ、日本のVR業界を牽引し世界と戦っている「コロプラ」の社員だったのだ。

VR事業創造サマーインターン

興味津々である旨を伝えると、サマーインターンプログラムへの選考を案内された。

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画像:コロプラのインターンシップサイト(http://be-ars.colopl.co.jp/internship/jisedai/

次世代共創プロジェクトの中の総合職向けプラグラム、「Next Strategy Project」 総合職3days。漢字カタカナ英数字が混じっているが、内容は至ってシンプル。

  • 3日(実質2日)でエンタメを軸としたVR事業を立案すること
  • 売上高予測・支出予測・利益予測など数値計画書も用意すること
  • その案をオキュラスジャパンやコロプラなどの日本VR界の主要プレイヤーにプレゼンすること

参加するメリットとしては

  • 世界屈指のハイエンドVRを体験できる
  • VRの事業を創った当事者や、事業投資のメンバーへヒアリングができる
  • VR業界のこれからを見通すだけのインプットができる

他社のプログラムでは数値計画までしっかり求められることはあまりない。
ほとんどが事業立案という名のビジネスコンテスト、いやアイディアソンのようになっている。その中でしっかり数値計画まで求めてくるコロプラのプログラムはさすがであった。

 

内容に比して期間が3日と短すぎることが気になったが、この期間は寝るなというメッセージだと解釈した。
実際オフィスにはレッドブルとカップラーメンが山と積まれていた。
 

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画像:提供されたカップラーメンとレッドブル

なんだかグローバルな参加者

参加者はかなりこだわって集めたと、上田氏から伺っていた。

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画像:コロプラの総合職インターン参加者 

楽しみにしてはいたが、実際に行ってみて驚いた。「ベトナム住んでました」「インド行ってました」「マレーシア行ってました(わたし)」「アメリカ行ってました」などなど海外経験者が豊富なこと。

これは個人的にすごく嬉しかった。業務以外でも楽しい話ができそうだし、キャリアの話も国内外フラットにできると思った。

また、こんなことを書くとえらく薄っぺらくなるが、学歴は総じて高かった。ほとんどが旧帝大で、マーチからは中大のみだった。

メンターがイケメンすぎてびびった件

VRについて何も知らない我々学生を助けてくれるのは、コロプラの頭キレキレのメンター陣。

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 画像:インターン初日、メンター紹介の様子

ここで無根拠に確信したことがある。

「コロプラの採用にはイケメン枠がある」

 それくらいメンターがイケメンすぎた。

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 画像:VR事業の概要をレクチャーするメンターさん

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  画像:グループワークの様子を見に来たメンターさん

足の長さと顔の完成度、頭のキレという三拍子揃った勝ちようがないイケメン。

そんな彼はわたし達のチームのメンターだった。

他のチームからもフィードバックを求められ引っ張りだこだった彼。一から十まで指示は出さず、基本は学生チームに任せてくれた。 

”Speech is silver,silence is golden.”との言葉があるが、我々学生にとってメンターの沈黙は金である。「いよいよやばかったらメンターに頼れるだろう」という意識を完全に排除できる上、無言のプレッシャーを感じながら試行錯誤できるからだ。 

とはいえアドバイスはいただきたい。じっと議論を見守り、限りなく少ない言葉に指摘をまとめ、すっと差し込んでくる感覚には驚嘆せざるを得なかった。

ちなみに彼は360度動画プラットフォームの事業責任者である。入社後すぐにこのプラットフォームを作ることを役員に提案し、事業化する運びとなったそうだ。

▼(参考)360度動画専門チャンネル「360Channel」は、VRを次のステージに導く旗手となるのか?

www.recruit-lifestyle.co.jp

コロプラに入ったらこの人も競争相手になるのかと思うと、ちょっと暗くなったのもまた事実である。

タイトで濃密な3日間

インターンは6つに分かれたチームでのワークがメインだった。
わたしのいたチームメンバーは、関西(京大、阪大)関東(東大、早大、上智大)の学部から1人ずつ集まった。留学経験者もいたし、事業を立ち上げている人もいた。すごく良いチームだった。

 

議論の箱を積み上げられる人がいて、その中にぽんぽん意見を放り込める人がいて、多くのソースから情報引っ張って来れる人がいた。
そして皆が議論に積極的に参加できていた。誰かの意見を潰すような議論ではなく、建設的な議論が終始行われていた。非常に気持ちの良いチームだった。

 

以下、3日間の様子をチームの画像中心で様子を振り返る。

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 画像:配られたお弁当を食べる参加者

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 画像:VRに関して各自調べ物をする参加者

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 画像:GearVRを試す参加者(私)

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 画像:グループでの議論の様子

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  画像:中間発表にて内定者メンター並びに投資家陣にプレゼンする参加者

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 画像:リラックスした空気で議論を進める参加者

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 画像:リラックスしながら各自作業を進める参加者

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画像:質疑応答に答える学生

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画像:学生の発表を聞く審査員(右からOculus Japan 池田氏、コロプラ取締役CFO 長谷部氏、コロプラネクスト代表取締役社長 山上氏、コロプラ執行役員 緒方氏)

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画像:最終発表後の集合写真

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画像:打ち上げ時の集合写真

いくらなんでもしょぼすぎた私たち

結局、参加した学生全員が、コロプラに対して何のバリューも提供できなかったのではないかと思う。学生(若者)の価値は 

「社会人(大人)が思いつかない発想をすること」

にしかないと私は思っている。しかし、馴染みのないVRには攻めあぐねた。ありきたりなアイディアしか出てこなかった。

最終発表の後、経営陣からの講評をいただけた。しかしそのコメントからは一切のポジティブな評価を感じることはできなかった。
経営陣やメンター陣をワクワクさせる何かを、一つも提示できなかった。
 

貴重な業務時間や休日も割いていただいたコロプラの皆さんには非常に申し訳ない気持ちでいっぱいである。

例のイケメンターさんからいただいたチームに対するこのフィードバックが刺さった。

チームとしてアウトプットを明確に持ちそれに向けてアクションできるのが優秀なビジネスマンであり、みなさんは言葉どおり「優秀」なビジネスマンになるはずなので、それは何がなんでも習得していただければと思います。

社会に出るまでの残り十数か月、常に意識して生活させていただきます。

やっぱり楽しいVR

ワークの中で、VR業界の展望についてお話を伺えたことはもちろん、実際にVR機器に触れることもできた。

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画像:VRを体験するインターン参加者

人間が世界を認識する際、もっとも情報量が多いのは五感のうち視覚であるはず。その視覚をそっくり別な世界に飛ばしてくれるのがVRである。

しばらくVRをつけていると、それがリアルな世界だと錯覚する。つまり、VRは他の既存のハードと異なり、リアルに限りなく近い体験を提供することを可能にしてくれる。 

1,500円程度で簡単なVR体験はすでに可能である。appストアでVRと検索してみて欲しい。すでにVR対応のアプリがいくつもリリースされていることが分かるはず。

一つでも興味を持ったら、まずは廉価のGoogle Cardboardを購入してみよう。

Google Cardboard – Google VR

 

ちなみにgoogleは本気でVRに乗り出しており、いくつかのソフトをすでにリリースしている。その1つであるTilt Brushを今回わたしも体験できた。
こちらは3次元空間に絵を描いたり雪を降らせたりできるものであるが、これが凄かった。言葉では形容しがたいので、こちらの1分ほどの動画を観て欲しい。その凄さの一端を垣間見れるはずだ。

▼(動画)Tilt Brush: Painting from a new perspective

www.youtube.com

無の空間に好きなものを創造できる体験は、聞きしに勝る衝撃であった。世界トップのIT企業も本気なこのVR。ぜひ皆さんにも体験して欲しい。

 

書いた人

note.mu

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