マレーシア・バトゥ洞窟【ヒンドゥー教徒世界9億人の聖地】 Malaysia/Batu Caves
マレーシアの首都クアラルンプールから北約13kmゴンバック(Gombak)地区に位置する、272段の階段で有名なヒンドゥー教徒の聖地バトゥ洞窟(Batu Caves)。ヒンドゥー教の本場インドでは危険すぎると禁止になった、針を身体中に刺す「タイプーサム祭(Thaipusam)」が、ここバトゥ洞窟(Batu Caves)では世界一盛大に開催されます。マレーシアでは有名な観光スポットとなっています。
Contents
- ところでバトゥ洞窟(Batu Caves)って何
- 世界三大宗教になれない、世界三位の宗教人口を誇るヒンドゥー教
- 針を刺しまくるタイプーサム祭(Thaipusam)とは何か。
- 実際どんなものかと思って行ってみた。
- バトゥ洞窟(Batu Caves)への行き方/写真/感想
行き方を知りたい人は上の方は読み飛ばしてガンガンスクロールしちゃってくださいな。
ところでバトゥ洞窟Batu Cavesって何
この岩です。
いや、厳密に言うと、この岩の中にある鍾乳洞のことです。
この岩には3つほど洞窟があります。
マレーシアの首都クアラルンプールから北上すること10km。高速道路を走ってると、突如としてこんもりした緑が目に飛び込んできます。実はこれは山ではなく石灰岩。なぜか地上に石灰岩が飛び出してしまったんです。
マレーシアのエアーズロック。
...とは誰も言いません。
バトゥ洞窟(Batu Caves)です。
そしてやたら目立つ金ぴかの巨大像。なんの神かは知りませんがとにかく金ぴか。だいたい 50mくらいの高さがあるようです。(こいつが景観を台無しにしているとも言えなくもない....)
※調べてみたところ、この金ぴかはムルガン(スカンダ/Murugan/Skanda)と呼ばれるヒンドゥー教の軍神でした。日本では韋駄天、鳩摩羅天として知られています。火神アグニと聖者の娘スヴァーハに乗り移った破壊と創造の神シヴァとヒマラヤ山の娘パールバーティーの子です。
パズドラで言うところのこいつと
こいつ
の子供がこいつ。金ぴか。
というわけで、このバトゥ洞窟(Batu Caves)はヒンドゥー教の聖地なんです。約100年ほど前に寺院として整備されて以来、ヒンドゥー教の聖地となりました。
ちなみにこの鍾乳洞自体は4億年という悠久の時を刻んでいます。
世界三大宗教になれない世界三位の宗教人口を誇るヒンドゥー教
ところで、世界3大宗教とは何かをご存知でしょうか。
キリスト教、イスラム教、仏教の3宗教です。しかし実際には仏教徒はキリスト教イスラム教に比べて少ないんです。
[キリスト教]22億5500万人 33.4%
[イスラム教]15億人 22.2%
[仏教]3億5000万人 5.7%
仏教は世界人口の5.7%しか占めていないんです。
ここで、ヒンドゥー教です。
[ヒンドゥー教]9億1500万人 13.5%
おお!ヒンドゥー教徒は仏教徒より日本人4.5倍分も多いではないか...!
ではなぜ仏教は世界宗教で、ヒンドゥー教は違うのでしょうか。
それは世界宗教の定義にあります。
世界宗教とは以下の宗教を指します。
・民族、地理を超えて広がっていること
・文化的、社会的に及ぼす影響が大きいこと
・入信において出自を問わないこと
ヒンドゥー教は基本的にインド国内に留まっており、あまり拡がっていない事が分かります。
仏教はインド発祥ですが、ヒンドゥー教の勢力に追い出されてインドを飛び出しました。大乗仏教と小座部仏教に分かれてそれぞれ中国→日本 スリランカ→東南アジアへと伝わります。結果、仏教は世界宗教になったんですね。(超さらっと。)
ちなみに日本は無宗教国家だという認識が強いと思います。実際、調査機関ビューリサーチセンターによると、日本の半数以上に当たる約7,200万人が無宗教だそうです。世界中では、何と約11億人が無宗教とされているようです。
世界の第三勢力は無宗教でした。
※無宗教とは確立されている宗教を信仰していないという事です。私個人としては、日本人は無宗教だとは思っていません。
針を刺しまくるタイプーサム祭(Thaipusam)とは何か。
身体中に針や鉤爪を刺すという奇祭として知られるタイプーサム祭(Thaipusam)ですが、これは一体なんのお祭りなのでしょう。
写真の一際目立つ金ぴかの像、そう。ムルガン神に関連するお祭りなのです。ムルガンの母であるパールバーティーが、敵対していた悪魔との戦いに勝利するために息子であるムルガンに最強の槍を授けた....という故事を祝うお祭りです。
ここに集結するのはシンガポール、マレーシア、インドなどで暮らすインド系タミル人です。集まる人数は100万とも200万ともされています。
タイプーサム祭(Thaipusam)は毎年タミール歴タイ/Thai月(January/Feburary)の満月の日に行われます。その48日前から信者は準備を始め、前日にはココナッツ割りというハイパーエキサイティングなイベントが開催されます。
世界一盛大っていうのはこういうことだ
世界一盛大なヒンドゥーの祭典って言われてもね...イメージわかないし...
そんなあなたの為に、バトゥ洞窟(Batu Caves)の画像たくさん載っけときます。
こちらがタイプーサム祭(Thaipusam)最中のバトゥ洞窟(Batu Caves)入り口の状況。
左に見える黄金像の足元左下に、洞窟に入るために登る階段の入り口があります。
そこまですら辿り着けなさそう......
本殿に入ってもこれ。
全然動けません。何もできません。
渋谷と変わんないじゃん!って思ったあなたにこちら。
そうなんです。変わりません。
渋谷のスクランブルおよそ30個分くらいが、地上/階段/洞窟の3ゾーンに分かれて延々と続くイメージです。
耐えられますか?無理です。
凡人の私には世界一はちょっと刺激が強すぎるようです。
しかも彼らの何がすごいって、この人ごみの中で体に大量の針を刺してるんです。
傷跡はぽっかり開くものの、出血や痛みはないとのことで「ほんとかいな」絶対痛いって....
今度ヒンドゥー教の友達を作って聞いてみます。
どんなもんかと思って行ってみた
【行き方】
めちゃめちゃ簡単な方法。
KLsentral駅からKTMという電車でBATU CAVES駅まで行きます。
切符の販売機は基本壊れてるのでみんな窓口で買います。
「バトゥケーブス!」と叫べばチケットが出てきます。
KLsentralからだと2RM約60円です。簡単です。安いです。
そのまま”見た目"は最新鋭の電車に乗っていれば着きます。
で、着きますBATU CAVES 駅
降りるとこんな変な緑の守護神みたいなやつがいます。
無視してそのまま真っ直ぐ歩きます。
するとメインのところに着きます。
禁止事項が書いてあります。
どうやら渋谷のギャルは入れないようです。
そして噂の272段階段へ。
すごい辛そうなアスリート風の女性とそれを撮影する(本当はもっと辛いであろう)撮影カメラを持つタトゥーお兄さん
登り切る直前に、DARK CAVEという暗闇洞窟探検ツアーがあります。
しかし時間が過ぎていて入れませんでした.....
登り切るとこんな感じ。
中はこんな感じ。ガラーン。
入るとこの子がお出迎え
謎な日傘を持っている。
こんな神様とか
調子乗った鶏とか
お人形さんとか
洞窟の所々に神様がいます
モンスターハンターのリオレウスが舞い降りてきそうな吹き抜け
その下にはメインの礼拝所が。
上記写真右上の神様ゾーンの裏側のアップ
千手観音の象みたいなのがいたり
孔雀に跨った手とか顔とかいろいろカオスな神様がいたり
両手を挙げたいろいろ謎な存在がいたり
こいつはマジでなんなんだ。
おいっつ、こっち見んなって。
かわいい猿がいたり。
「なんだこれ。うへへ」
「がぶっつ」
「おかーさん。またお兄ちゃん変なことしてる」
「あらほんと。やーね。」
一回行ったらもういいかな。という感じの観光スポットでした。